ボーナス不要、社会保険料ゼロ。外部委託で実現するスリムな経営体質
「人を雇う」というコストの重さを、正確に把握していますか?
「優秀な人材を採用したい」
経営者として当然の願いです。しかし、正社員を一人雇用することの本当のコストを、正確に把握している経営者は意外と少ないのが現実です。
年収500万円の社員を雇うとしましょう。支払うのは500万円だけ——そう思っていませんか?
実際には、以下のような「見えないコスト」が上乗せされます。
| 項目 | 年間コスト |
|---|---|
| 基本給与 | 500万円 |
| 賞与(年2回・計4ヶ月想定) | 約165万円 |
| 社会保険料(会社負担分) | 約75万円 |
| 労働保険料 | 約8万円 |
| 福利厚生費 | 約30万円 |
| 退職金積立(月1万円想定) | 約12万円 |
| 合計 | 約790万円 |
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年収500万円の社員に、実際は約790万円かかっている——この事実に、多くの経営者が驚きます。
さらに、採用コスト(エージェント手数料、面接工数など)や教育コスト、オフィススペース、PC・備品などを含めると、総額は900万円を超えるケースも珍しくありません。
その負担、経営者なら誰もが感じているはずです
「人件費が重い」——これは、中小企業経営者の共通の悩みです。
特に以下のような状況では、人件費の重さがより深刻に感じられるのではないでしょうか。
- 売上の波がある:繁忙期と閑散期の差が大きく、固定費が利益を圧迫する
- 事業環境の変化が激しい:来年も同じ業務が必要かわからない
- キャッシュフローに余裕がない:毎月の給与支払日が近づくと胃が痛む
- 成長投資に回す原資がない:人件費で手一杯で、新規事業に投資できない
そして何より、正社員雇用には解雇規制という大きなリスクがあります。一度雇用すると、業績が悪化しても簡単には人員調整ができない。これは日本の経営者が抱える構造的な課題です。
「でも、優秀な人材を確保するには正社員雇用しかない」——そう思い込んでいませんか?
発想の転換:固定費を変動費に変える
ここで提案したいのが、「外部委託」による経営のスリム化です。
正社員雇用では避けられない以下のコストが、外部委託ではすべて不要になります。
- 賞与(ボーナス):業務委託契約には賞与の概念がない
- 社会保険料(会社負担):委託先が個人事業主または法人のため発生しない
- 退職金:積立も支払いも不要
- 有給休暇:稼働した分だけの支払い
- 解雇リスク:契約期間満了で自然終了。違約金なし
固定費から変動費への転換
つまり、「雇用」から「契約」へ切り替えることで、人件費を固定費から変動費に転換できるのです。
これは単なるコスト削減ではありません。経営の柔軟性を取り戻すという、戦略的な判断です。
外部委託で実現する「3つの経営メリット」
1. 純粋なコスト削減効果
先ほどの試算に戻りましょう。年収500万円相当の人材を外部委託で確保する場合、月額40〜50万円程度が相場です。
| 雇用形態 | 年間コスト |
|---|---|
| 正社員雇用 | 約790万円(実質コスト) |
| 外部委託 | 約480〜600万円 |
| 削減額 | 約190〜310万円 |
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年間200〜300万円のコスト削減が、外部委託に切り替えるだけで実現します。
しかも、これは「同じ仕事を安くやってもらう」という単純な話ではありません。外部の専門家は、自分の市場価値を維持するために常にスキルアップを続けています。正社員を教育・研修する手間とコストを考えれば、実質的なコストパフォーマンスはさらに高いと言えます。
2. 経営リスクの大幅な軽減
外部委託の最大のメリットは、経営の「身軽さ」を取り戻せることです。
- 景気変動への対応:業績が悪化しても、契約更新しなければコストはゼロになる
- 事業転換への対応:新しい事業に必要なスキルを持った人材に、すぐ切り替えられる
- プロジェクト単位の調整:必要な時期に必要なだけリソースを投入できる
正社員雇用では、どれだけ業績が悪化しても給与・社会保険料・ボーナスを払い続けなければなりません。外部委託なら、売上に連動したコスト構造を実現できます。
これは特に、以下のような企業にとって大きなメリットです。
- 季節変動のある事業を営んでいる
- 新規事業の立ち上げ期で、まだ軌道に乗るかわからない
- コロナ禍のような不測の事態に備えたい
3. 専門性の「最適調達」
正社員を雇用すると、その人のスキルセットに業務を合わせることになります。
一方、外部委託なら業務に最適な専門家を選べます。
- Webサイト制作が必要なら、Web制作の専門家に依頼
- 経理業務が必要なら、経理のプロフェッショナルに依頼
- システム開発が必要なら、開発会社に依頼
「何でもできる人を一人雇う」より、**「それぞれの専門家に必要な分だけ依頼する」**方が、結果として品質も効率も高くなります。
専門性の最適調達
「でも、外部委託には不安がある」への回答
外部委託に興味を持ちつつも、踏み切れない経営者も多いでしょう。よくある懸念にお答えします。
「自社のことを理解してもらえるのか」
これは最も多い懸念です。
確かに、外部の人間が初日から社内事情を完璧に理解することはできません。しかし、1〜2ヶ月の引き継ぎ期間を設ければ、多くの業務は問題なく遂行可能になります。
むしろ、外部の視点だからこそ見える「非効率」や「改善点」もあります。社内の常識に染まっていない専門家だからこそ、客観的な提案ができるのです。
「品質は担保されるのか」
外部委託では、契約で品質基準を明確に定義できます。
正社員の場合、「期待通りの仕事をしてくれない」と感じても、簡単に交代させることはできません。外部委託なら、契約内容に基づいて改善を求めたり、担当者を変更したりすることが可能です。
また、実績のある専門家や企業を選べば、むしろ社内で育成するより高品質なアウトプットが期待できます。
「情報漏洩リスクはどうなのか」
NDA(秘密保持契約)の締結は、外部委託の基本中の基本です。
正社員であっても情報漏洩リスクはゼロではありません。むしろ、契約で明確に罰則を定められる外部委託の方が、法的な抑止力は強いとも言えます。
信頼できるパートナーを選び、適切な契約を結ぶことで、情報漏洩リスクは十分にコントロール可能です。
「コミュニケーションコストが増えるのでは」
この懸念は、実は半分正しく、半分間違っています。
確かに、外部パートナーとのコミュニケーションには一定の手間がかかります。しかし、正社員の管理(評価面談、モチベーション管理、キャリア相談など)にも相当の工数がかかっていることを忘れてはいけません。
外部委託なら、純粋に業務のやり取りだけで済みます。マネジメントコストの削減という観点では、むしろ効率的です。
こんな業務・こんな企業に外部委託は最適
外部委託が特に効果を発揮するのは、以下のような業務・企業です。
外部委託に適した業務
- IT・システム関連:開発、保守、セキュリティ対策
- バックオフィス業務:経理、総務、人事の定型業務
- マーケティング:Web制作、SNS運用、広告運用
- クリエイティブ:デザイン、動画制作、ライティング
- 専門性の高い業務:法務、財務分析、データ分析
外部委託を検討すべき企業
- 社員数10〜100名規模で、専門部署を持つほどではない業務がある
- 正社員の採用に苦戦しており、必要な人材が確保できない
- 業績の波が大きく、固定費を抑えたい
- DX推進やIT強化を進めたいが、社内にノウハウがない
- 経営のスリム化を進め、コア事業に集中したい
特にIT・DX領域では、外部委託のメリットが顕著です。技術の進化が速く、社内で専門人材を育成するより外部の専門家を活用する方が合理的なケースが多いためです。弊社でも月額制のDX推進支援サービスを提供しており、多くの中小企業がこのモデルでIT体制を構築しています。
まとめ:「雇用する」から「活用する」へ
スリムな経営体質の実現
本記事のポイントを整理します。
外部委託で削減できるコスト
- 賞与(ボーナス):年収の約30〜40%相当
- 社会保険料(会社負担):年収の約15%相当
- 退職金積立、福利厚生費、採用・教育コスト
外部委託で得られるメリット
- 固定費から変動費への転換で、経営の柔軟性を確保
- 景気変動・事業転換への対応力が向上
- 専門家を必要な時に必要なだけ活用できる
コスト削減効果
- 同等スキルの人材で、年間200〜300万円のコスト削減が可能
- 複数名分なら、削減額は数百万円から1,000万円規模に
「人を雇う」ことは、日本企業では当たり前のように行われてきました。しかし、雇用にはボーナス、社会保険料、退職金、解雇規制といった**多くの「見えないコスト」と「リスク」**が伴います。
これからの時代、経営者に求められるのは「人を雇う」ことではなく、「必要な専門性を最適な形で調達する」という発想です。
自社にとって最適な「雇用と外部委託のバランス」を見直してみませんか。
コア業務は正社員で、専門業務は外部委託で——そのハイブリッドな体制こそが、変化の激しい時代を生き抜くスリムな経営体質を実現します。
まずは一つの業務から、外部委託への切り替えを検討してみてください。その一歩が、経営のスリム化への大きな転換点になるはずです。