なぜ月額制なのか?一括請負型開発との決定的な違い
「数千万円の投資が、使われないシステムに消えていく」という現実
「見積もり通りに作ってもらったはずなのに、現場では誰も使わない」
「追加開発のたびに数百万円の請求が来る」
「システム会社に言われるがまま、よくわからない保守費を払い続けている」
経営者として、こんな経験はありませんか?
日本企業のDX投資は年々増加しています。しかし、その多くが期待した成果を生み出せていないのが現実です。経済産業省の調査によれば、DXに取り組む企業の約7割が「成果が出ていない」と回答しています。
なぜ、これほどまでにシステム投資は失敗するのでしょうか?
その根本原因の一つが、「一括請負型」という従来のシステム開発モデルにあります。
経営者なら誰もが感じる、従来型開発への違和感
「最初に全ての要件を決めてください」
一括請負型開発(SIer型)では、プロジェクト開始時にこう言われます。しかし、変化の激しい現代のビジネス環境で、1年後・2年後に必要な機能を今の時点で完璧に予測できるでしょうか?
正直なところ、それは不可能です。
にもかかわらず、従来の開発モデルは「最初に全てを決める」ことを前提としています。結果として起きるのは:
- 要件変更のたびに追加費用が発生(当初見積もりの1.5〜2倍になることも珍しくない)
- 完成したシステムが現場のニーズと乖離(開発中にビジネス環境が変化)
- ベンダーロックイン(他社への移行が事実上不可能に)
- 高額な保守費用(年間で開発費の15〜20%が相場)
これらは、一括請負型の構造的な問題です。SIerが悪いわけではありません。「最初に全てを決めて、その通りに作る」というモデル自体が、現代のビジネススピードに合っていないのです。
本記事でお伝えすること:月額制開発という選択肢
本記事では、従来の一括請負型開発とは根本的に異なる**「月額制開発」**というモデルについて解説します。
経営者として押さえるべきポイントは3つです:
- コスト構造の違い:なぜ月額制は予算超過リスクを抑えられるのか
- リスクヘッジの仕組み:なぜ月額制は失敗リスクを最小化できるのか
- 経営判断の柔軟性:なぜ月額制は環境変化に強いのか
「システム投資で失敗したくない」「DXを本気で進めたい」とお考えの経営者・決裁者の方に、ぜひお読みいただきたい内容です。
月額制と一括請負の比較
一括請負型 vs 月額制:7つの決定的な違い
1. 初期投資リスクの違い
一括請負型の場合:
- 開発着手前に数千万〜数億円の投資判断が必要
- 完成するまで本当に使えるかわからない
- 失敗しても投資は戻ってこない
月額制の場合:
- 月々の固定費用でスタート可能
- 小さく始めて、効果を確認しながら拡大できる
- 合わなければ数ヶ月で方向転換可能
経営者として最も重要なのは、「取り返しのつかない意思決定」を減らすことです。月額制は、大きな初期投資なしに始められるため、意思決定のリスクを大幅に下げられます。
2. 要件変更への対応力
一括請負型の場合:
- 要件変更は「契約変更」となり、追加見積もり・追加契約が必要
- 変更の都度、数週間〜数ヶ月の調整期間
- 結果として「変更しない方がマシ」という判断に
月額制の場合:
- 月々の稼働内で柔軟に優先順位を変更
- 今月は機能Aより機能Bを優先、という判断が即座に可能
- ビジネス環境の変化に合わせたアジャイルな対応
ビジネスは生き物です。 半年前に「必須」だった機能が、今は不要になっていることはよくあります。月額制なら、その変化に合わせて開発内容を柔軟に調整できます。
3. ベンダーロックインのリスク
一括請負型の場合:
- 開発会社独自の技術・フレームワークで構築されがち
- ドキュメントが不十分で、他社が引き継げない
- 保守を断れない(断ると動かなくなるリスク)
月額制の場合:
- 標準技術・オープンソースを活用した設計が前提
- ドキュメント整備、ナレッジ共有が継続的に行われる
- いつでも他社への移行、内製化が可能な状態を維持
「この会社に頼み続けるしかない」という状態は、経営リスクです。 月額制のパートナーは、お客様が「選び続けたい」と思ってもらえるよう、常に価値を提供し続ける必要があります。この緊張関係が、健全なパートナーシップを生みます。
4. コスト予測の精度
一括請負型の場合:
- 見積もり時点での精度は±50%程度が現実
- 追加費用が発生するたびに稟議が必要
- 最終的な総コストは完成するまでわからない
月額制の場合:
- 月額×契約期間で総コストが明確
- 予算超過リスクがほぼゼロ
- 年間の開発予算計画が立てやすい
経理・財務部門からすれば、コストが読めるかどうかは極めて重要です。月額制なら、「今期の開発予算は月額○○万円×12ヶ月」と明確に計画できます。
5. 成果物の品質確認タイミング
一括請負型の場合:
- 基本的に完成後の検収で初めて品質確認
- 「思っていたのと違う」が発覚しても手遅れ
- やり直しには追加費用と期間が必要
月額制の場合:
- 毎週・毎月の定例で成果物を確認
- 小さな単位でフィードバック可能
- 方向性のズレを早期に発見・修正
「完成してから直す」のと「作りながら直す」のでは、コストが10倍違うと言われます。月額制の継続的なコミュニケーションは、結果として無駄なコストを削減します。
6. 開発チームとの関係性
一括請負型の場合:
- プロジェクト単位での契約
- 終わったら解散、ノウハウも消失
- 次回は別のチームが担当することも
月額制の場合:
- 同じチームが継続的に担当
- お客様のビジネスを深く理解
- 蓄積されたノウハウが次の開発に活きる
**「うちの会社のことをよく知っているエンジニア」**がいることの価値は計り知れません。新しい要望を伝えるとき、背景説明なしで意図が伝わる。これだけで、どれだけの時間とコストが節約できるでしょうか。
7. 経営判断の柔軟性
一括請負型の場合:
- 一度始めたら止められない(サンクコスト)
- 投資判断の撤回が極めて困難
- 「ここまで来たらやるしかない」という心理
月額制の場合:
- いつでも規模の拡大・縮小が可能
- 事業環境の変化に応じた判断ができる
- 「やめる」という選択肢を常に持てる
経営において、「撤退できる」ことは強さです。月額制なら、市場環境の変化、競合の動き、自社の戦略変更に応じて、開発投資の規模を柔軟に調整できます。
月額制開発の3つのステップ
月額制開発を成功させる3つのポイント
ここまで、月額制開発のメリットを解説してきました。しかし、月額制なら何でもうまくいくわけではありません。成功させるためのポイントを3つお伝えします。
ポイント1:「丸投げ」ではなく「協働」の意識を持つ
月額制開発の最大の特徴は、継続的なコミュニケーションです。
一括請負型のように「要件を渡したらあとはお任せ」というスタイルでは、月額制の良さを活かせません。週次・月次の定例ミーティングに経営層や事業責任者が参加し、方向性を確認しながら進めることが重要です。
「忙しくて会議に出られない」という企業様には、正直なところ月額制は向いていません。経営課題を一緒に解決するパートナーとして関わる覚悟が必要です。
ポイント2:小さく始めて、成功体験を積む
月額制の利点は、リスクを抑えて始められることです。
いきなり全社システムを刷新するのではなく、まずは一つの部門、一つの業務から始めることをお勧めします。小さな成功体験が、組織全体のDXへの機運を高めます。
例えば:
- 営業部門の顧客管理から始める
- 経理部門の請求書処理から始める
- 人事部門の勤怠管理から始める
3ヶ月で成果が見える範囲から始めて、効果を実感してから拡大する。これが、DXを確実に成功させるアプローチです。
ポイント3:「内製化」を視野に入れる
月額制開発のゴールは、外注し続けることではありません。
将来的に自社でシステムを運用・改善できる体制を作ることを視野に入れましょう。そのために:
- 開発プロセスの可視化と社内への共有
- 社内IT人材の育成・採用
- 段階的な運用移管
優れた月額制パートナーは、お客様の自立を支援します。 いつまでも依存させようとするパートナーには注意が必要です。
こんな企業様に月額制開発をおすすめします
月額制開発は、全ての企業に最適なわけではありません。以下のような課題・状況をお持ちの企業様に特におすすめです。
- 過去にシステム開発で失敗した経験があり、慎重に進めたい企業
- DXを推進したいが、何から始めればいいかわからない企業
- IT部門がない、または少人数で、外部の専門家の力を借りたい企業
- ビジネス環境の変化が激しく、柔軟な開発体制が必要な企業
- 初期投資を抑えて、まずは小さく始めたい企業
逆に、以下のような場合は一括請負型の方が適している可能性があります:
- 要件が明確に固まっており、変更の可能性が極めて低い
- 法規制対応など、仕様が厳密に定義されている
- 社内にPM経験者がおり、開発会社をコントロールできる
自社にとってどちらが最適か、判断に迷われる場合は、まずは相談してみることをお勧めします。 良心的なパートナーであれば、お客様の状況を聞いた上で、正直にアドバイスしてくれるはずです。
もし「月額制で自社のDXを進めてみたい」とお考えでしたら、私たちの月額制DX推進サービスもぜひご覧ください。専属チームが貴社のビジネスを深く理解し、継続的なDX推進をサポートいたします。
まとめ:開発モデルの選択は、経営判断である
まとめ:月額制開発という選択
本記事では、一括請負型開発(SIer型)と月額制開発の違いを、経営者視点で解説しました。
ポイントを整理します:
| 観点 | 一括請負型 | 月額制 |
|---|---|---|
| 初期投資 | 大(数千万〜) | 小(月額固定) |
| 要件変更 | 追加費用発生 | 月内で柔軟対応 |
| ベンダーロックイン | リスク高 | リスク低 |
| コスト予測 | 困難 | 容易 |
| 品質確認 | 完成後 | 継続的 |
| チーム関係 | プロジェクト単位 | 継続的 |
| 経営判断の柔軟性 | 低い | 高い |
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システム開発のモデル選択は、単なる調達方法の選択ではありません。「変化に対応できる組織を作れるかどうか」という経営判断です。
VUCAの時代と言われる現代において、「最初に全てを決めて、その通りに作る」というアプローチには限界があります。変化を前提とした、柔軟な開発体制を構築することが、これからのDXには不可欠です。
まずは一度、話を聞いてみませんか?
「うちの場合はどうだろう」「本当に月額制が合っているのか」といった疑問があれば、お気軽にご相談ください。貴社の状況をヒアリングした上で、最適なアプローチをご提案いたします。
無理に契約を勧めることはありません。判断材料を増やすための情報提供として、まずはお話しさせてください。