経営者が本来の業務(売上作り)に集中するための「IT雑務」断捨離術
「また社長、PCの前で止まってますね」という現実
「社長、プリンターが動かないんですけど…」 「このシステムの設定、どうすればいいですか?」 「Wi-Fiが繋がらないんですが…」
こんな相談が、毎日のように社員から寄せられていませんか?
中小企業の経営者にとって、IT関連の「雑務」は想像以上に時間を奪う存在です。経済産業省の調査によれば、中小企業の経営者が「本来やるべきでない業務」に費やす時間は、週平均で約10時間にも上ります。そのうち、IT関連のトラブル対応や設定作業が占める割合は決して小さくありません。
社員50人以下の会社では、専任のIT担当者を置く余裕がないケースがほとんどです。結果として、「一番パソコンに詳しい人」である社長が、IT雑務の担当者になってしまうという皮肉な状況が生まれています。
経営者の本来の仕事は何でしょうか?
それは、売上を作ることです。営業戦略を考え、顧客と関係を築き、新しいビジネスチャンスを見つける。これこそが、経営者にしかできない仕事のはずです。
しかし現実には、PCトラブルの対応、クラウドサービスの設定、セキュリティ対策の検討…といったIT雑務に貴重な時間を吸い取られている経営者が少なくありません。
「詳しいから」「安く済むから」は本当か?
「自分でやれば外注費がかからない」 「社内で対応した方が早い」 「どうせ大した時間じゃない」
そう思われるかもしれません。しかし、この考え方には大きな落とし穴があります。
経営者の時間をお金に換算してみてください。仮に年商1億円の会社で、経営者が売上に直結する活動に週1時間多く使えるようになったとしたら、年間でどれだけの売上増が期待できるでしょうか?
一方、IT雑務に費やす時間のコストを計算すると、驚くべき数字が見えてきます。
| 経営者がIT雑務に費やす時間 | 年間の機会損失(※) |
|---|---|
| 週1時間 | 約50万円相当 |
| 週3時間 | 約150万円相当 |
| 週5時間 | 約250万円相当 |
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※経営者の時間価値を時給1万円として試算
「自分でやれば無料」というのは幻想です。経営者の時間には、目に見えないコストがかかっています。そして、その時間は本来、もっと価値の高い活動に使われるべきものなのです。
さらに問題なのは、中途半端な知識でのIT対応がリスクを生むということです。
- セキュリティ設定の不備による情報漏洩リスク
- バックアップ設定のミスによるデータ消失リスク
- ライセンス管理の不備によるコンプライアンスリスク
「詳しいつもり」の対応が、会社に深刻なダメージを与えるケースは珍しくありません。
解決策:IT雑務を「仕分け」して経営から切り離す
この記事では、経営者がIT雑務から解放され、本来の業務である売上作りに集中するための具体的な方法をお伝えします。
キーワードは**「断捨離」**です。
すべてのIT業務を自分で抱え込むのではなく、「経営者がやるべきこと」と「手放すべきこと」を明確に仕分けることで、時間とリスクの両方を最適化できます。
IT雑務の断捨離で経営に集中
IT雑務の断捨離術:3つのステップ
ステップ1:IT業務を「見える化」する
まず、現在どれだけのIT業務を抱えているかを把握することから始めましょう。
以下のリストを参考に、過去1ヶ月で対応したIT関連の業務を書き出してみてください。
日常的に発生するIT業務
- PCやプリンターのトラブル対応
- ソフトウェアのインストール・設定
- アカウント作成・パスワード管理
- クラウドサービスの契約・設定変更
- Wi-Fi・ネットワークのトラブル対応
- データのバックアップ確認
- セキュリティアップデートの適用
不定期に発生するIT業務
- 新しいPCの選定・購入・セットアップ
- 業務システムの導入検討・選定
- ホームページやメールの設定変更
- セキュリティ対策の検討・実施
- IT関連の契約更新・見直し
書き出してみると、「こんなにやっていたのか」と驚かれるかもしれません。これらの業務に、月にどれくらいの時間を使っているかも概算してみてください。
ステップ2:「経営者がやるべき」IT業務を見極める
次に、書き出したIT業務を仕分けします。判断基準は**「経営判断が必要かどうか」**です。
経営者がやるべきIT業務(=経営判断が必要)
| 業務 | 理由 |
|---|---|
| IT投資の意思決定 | 予算配分は経営判断 |
| セキュリティポリシーの承認 | リスク許容度は経営判断 |
| 重要システムの導入可否判断 | 事業戦略との整合性が必要 |
| ベンダー選定の最終判断 | 長期的なパートナーシップの判断 |
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経営者がやるべきでないIT業務(=手放すべき)
| 業務 | 理由 |
|---|---|
| PCのトラブル対応 | 経営判断不要、定型作業 |
| ソフトウェアの設定 | 経営判断不要、技術作業 |
| アカウント管理 | 経営判断不要、定型作業 |
| バックアップの実行・確認 | 経営判断不要、定型作業 |
| セキュリティアップデート | 経営判断不要、技術作業 |
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経営者が「手放すべき」IT業務に時間を使っているなら、それは経営資源の誤配分です。
ステップ3:手放し方を決める
手放すべきIT業務をどう処理するかは、会社の状況によって異なります。主な選択肢は3つです。
選択肢A:社内の担当者を決める
メリット:
- レスポンスが早い
- 社内の状況を把握している
デメリット:
- 担当者の本業に影響が出る
- 専門性に限界がある
- 担当者が退職すると属人化のリスク
適しているケース:
- ITリテラシーの高い社員がいる
- IT業務の量が少ない
選択肢B:スポットで外注する
メリット:
- 必要なときだけ費用が発生
- 専門家に任せられる
デメリット:
- 都度依頼の手間がかかる
- 対応までに時間がかかることがある
- 社内の状況を理解してもらうまで時間がかかる
適しているケース:
- IT業務の発生頻度が低い
- 大きなトラブルへの備えが主目的
選択肢C:月額制でIT担当を外部化する
メリット:
- 定額で計画的にコスト管理できる
- 継続的な関係で社内を理解してもらえる
- 専門家による対応でリスクを軽減
- 経営者の時間を完全に解放できる
デメリット:
- 固定費が発生する
- 適切なパートナー選びが必要
適しているケース:
- IT業務の発生頻度が高い
- 社内にIT担当者を置く余裕がない
- 経営者の時間を最大限売上活動に充てたい
IT雑務の手放し方
IT雑務を手放すことで得られる3つのメリット
メリット1:コスト削減(見えないコストの可視化)
「外注するとお金がかかる」と思われがちですが、実際には逆のケースが多いです。
経営者がIT雑務に費やす時間を売上活動に振り向けることで、得られる収益増加の方が、外注コストを大きく上回ることがほとんどです。
また、専門家によるIT管理は以下のコスト削減にもつながります。
- 無駄なツール・サービスの契約見直し(年間数十万円の削減事例も)
- トラブル対応の迅速化による業務停止時間の短縮
- 適切な機器選定による過剰投資の防止
メリット2:リスクヘッジ(専門家による安心感)
IT雑務を「なんとなく」で処理していると、見えないリスクが蓄積していきます。
- バックアップが正しく取れていなかった
- セキュリティ設定に穴があった
- 古いソフトウェアを使い続けていた
これらのリスクが顕在化したときのダメージは、日々のIT雑務にかかるコストとは比較になりません。情報漏洩1件で会社が傾くこともあり得るのです。
専門家にIT業務を任せることで、こうしたリスクを未然に防ぐことができます。
メリット3:本業への集中(経営者の時間価値の最大化)
最も重要なメリットは、経営者が経営に集中できるようになることです。
IT雑務から解放された時間で、新規顧客の開拓、既存顧客との関係強化、事業戦略の検討といった本来やるべき仕事に取り組めるようになります。
「社長、PCが動かないんですけど…」という相談に対応する時間を、「社長、新規案件の提案です」という営業活動に使えるようになったら、会社はどう変わるでしょうか?
こんな経営者の方におすすめ
以下のような状況に心当たりがあれば、IT雑務の断捨離を検討する価値があります。
- 社員から「PCが動かない」と相談されると、つい自分で対応してしまう方
- IT関連のトラブル対応で、営業や商談の時間が削られている方
- 「IT担当者を雇うほどではないが、誰かに任せたい」と思っている方
- セキュリティやバックアップに不安を感じているが、手をつけられていない方
- 毎月のIT関連の支出を把握できておらず、コストを最適化したい方
経営者の時間は、会社で最も高価な資源です。 その時間をIT雑務に使い続けることは、経営判断として正しいでしょうか?
「社内にIT専門家がいない」「誰に相談していいかわからない」という場合は、月額制で自社のIT環境を丸ごとサポートする専門チームを活用するという選択肢もあります。IT雑務の対応から、セキュリティ対策、システム導入のサポートまで、社内にIT部門があるかのように頼れる存在がいれば、経営者は安心して本業に集中できます。
まとめ:経営者の時間を「売上作り」に取り戻す
IT雑務断捨離のまとめ
経営者がIT雑務から解放され、本来の業務に集中するためのポイントを整理します。
IT雑務断捨離の3ステップ
- 見える化 — 現在抱えているIT業務を洗い出す
- 仕分け — 経営判断が必要な業務とそうでない業務を分ける
- 手放す — 経営判断が不要な業務は、適切な方法で手放す
手放すことで得られるメリット
- コスト削減 — 経営者の時間を売上活動に振り向けられる
- リスクヘッジ — 専門家による管理でセキュリティリスクを軽減
- 本業集中 — 経営者にしかできない仕事に時間を使える
「IT雑務を手放す」ことは、「ITを軽視する」ことではありません。むしろ、ITの重要性を理解しているからこそ、専門性を持った人に任せるという経営判断です。
経営者の仕事は、会社を成長させること。そのために最も重要な資源である「時間」を、最も価値のある活動に集中投下することです。
次のステップ:まず1週間、IT雑務に費やす時間を記録してみてください
自分がどれだけIT雑務に時間を取られているか、意識して記録するだけでも発見があります。その時間を売上活動に使えたら、どんな成果が出せるか想像してみてください。
もし「IT雑務を丸ごと任せられる相手がほしい」「何から手をつければいいかわからない」という場合は、お気軽にご相談ください。経営者の貴重な時間を取り戻すお手伝いをいたします。