顧問税理士も推奨する「バックオフィスのIT化」によるコスト削減効果
なぜ今、バックオフィスのIT化が経営課題なのか
「経理担当者が退職したら、業務が回らなくなるかもしれない」
「毎月の請求書処理や給与計算に、どれだけの時間とコストがかかっているか把握できていない」
「顧問税理士から『もっとデータを整理してほしい』と言われるが、現場に余裕がない」
このような悩みを抱える経営者の方は少なくありません。バックオフィス業務は売上に直結しないため、どうしても後回しにされがちです。しかし、ここに大きな経営リスクとコストの無駄が潜んでいることを、多くの顧問税理士が指摘しています。
中小企業庁の調査によると、バックオフィス業務に費やす時間は、従業員一人あたり月平均20時間以上。年間に換算すると240時間、つまり約30営業日分の時間が、本来の業務以外に消えているのです。
経営者だからこそ分かる、属人化の怖さ
「うちの経理は○○さんに任せているから大丈夫」
この言葉に安心している経営者の方、実はそれが最大のリスクかもしれません。
私たちが支援してきた企業でも、ベテラン経理担当者の突然の退職や病気により、業務が完全にストップしてしまったケースを何度も見てきました。給与計算ができない、請求書が発行できない、決算資料が作れない——。これらは売上減少よりも深刻な経営危機を引き起こします。
また、紙ベースでの管理や属人的な業務フローは、税務調査時のリスクにもなります。顧問税理士から「証憑の保管状態が心配」「データの整合性が取れない」といった指摘を受けたことはありませんか?
これらの課題は、経営者として「いつか対処しなければ」と思いながらも、日々の業務に追われて先送りにしてしまいがちです。その気持ちは痛いほど分かります。
IT化で実現する「見える化」と「標準化」
ご安心ください。バックオフィスのIT化は、これらの課題を根本から解決します。
本記事では、顧問税理士も推奨するバックオフィスIT化の具体的な効果と、経営者として押さえておくべきポイントを詳しく解説します。コスト削減の具体的な数字から、リスクヘッジの観点まで、決裁者として必要な情報をお伝えします。
バックオフィスIT化による業務の見える化と標準化
バックオフィスIT化で得られる4つのコスト削減効果
1. 人件費の最適化:年間200〜500万円の削減も
バックオフィス業務のIT化による最大のメリットは、人件費の最適化です。
具体的には、以下のような効果が期待できます。
経理業務の場合
- 請求書発行:手作業で1件15分 → システム化で1件2分(87%削減)
- 経費精算:申請から承認まで平均3日 → 当日完了(67%削減)
- 月次決算:10営業日 → 5営業日(50%削減)
人事・労務業務の場合
- 給与計算:丸1日 → 2時間(75%削減)
- 勤怠集計:半日 → 自動化で0時間(100%削減)
- 年末調整:1週間 → 2日(71%削減)
これらの時間削減を人件費に換算すると、従業員50名規模の企業で年間200〜500万円のコスト削減が可能です。削減した時間を営業活動や商品開発など、売上に直結する業務に振り向けることで、さらなる成長が見込めます。
2. 紙・印刷コストの削減:年間50〜100万円
2024年1月から義務化された電子帳簿保存法への対応も、IT化の大きな動機となっています。
削減できるコスト例
- 用紙代:月5,000枚 × 12ヶ月 = 年間約36万円
- インク・トナー代:年間約24万円
- 保管スペース(書庫・倉庫):年間約20万円
- 郵送費:月500通 × 84円 × 12ヶ月 = 年間約50万円
電子化により、これらのコストを大幅に削減できます。さらに、書類を探す時間の削減、紛失リスクの低減といった副次的なメリットも見逃せません。
3. ミス・手戻りコストの削減:年間100〜300万円
手作業によるミスは、思った以上にコストがかかっています。
ミスによる損失例
- 請求書の金額ミス → 再発行・謝罪対応で平均2時間のロス
- 給与計算ミス → 従業員の信頼低下、修正作業で平均4時間
- 税務申告ミス → 税理士への追加依頼費用、場合によっては延滞税
システム化により、計算ミスはほぼゼロになります。また、ダブルチェック工程も自動化できるため、確認作業の時間も大幅に短縮できます。
4. 顧問税理士への依頼費用の最適化
多くの中小企業では、月次の記帳代行や決算業務を顧問税理士に依頼しています。
IT化により社内でデータ管理ができるようになると、以下のような効果があります。
- 記帳代行費用の削減(月3〜10万円)
- 決算作業の効率化による追加費用の削減
- 税理士とのコミュニケーションコストの削減
実際に、私たちが支援した企業では「税理士への月額顧問料が半額になった」というケースもあります。税理士側も、整理されたデータが提供されることで作業効率が上がり、win-winの関係が築けています。
バックオフィスIT化の4つのステップ
顧問税理士が推奨する理由:リスクヘッジの観点
コスト削減だけでなく、リスクヘッジの観点からも、多くの顧問税理士がバックオフィスのIT化を推奨しています。
税務調査対策としての電子化
税務調査において、証憑書類の保管状態は重要なチェックポイントです。
紙の書類は、以下のようなリスクがあります。
- 経年劣化による判読不能
- 紛失・破損
- 整理不足による提示遅延
電子データで管理することで、これらのリスクを回避できます。また、検索機能により必要な書類を即座に提示できるため、税務調査官からの印象も良くなります。
BCP(事業継続計画)としてのクラウド化
2020年以降、多くの企業がリモートワークへの対応を迫られました。クラウド型のシステムを導入していた企業は、スムーズに在宅勤務へ移行できましたが、紙ベースの業務が残っていた企業は大きな混乱を経験しました。
災害や感染症といった不測の事態に備え、場所を選ばずに業務を継続できる環境を整えることは、経営者として重要な判断です。
内部統制の強化
IT化により、以下のような内部統制の強化が図れます。
- 承認フローの明確化・記録化
- アクセス権限の管理
- 操作ログの自動記録
- 不正防止のための牽制機能
特に、IPO(株式公開)を視野に入れている企業や、取引先からの監査を受ける企業にとって、内部統制の整備は必須要件です。
こんな経営者の方におすすめです
以下のような状況にある経営者の方は、今すぐバックオフィスのIT化を検討すべきです。
- 経理担当者が1〜2名しかおらず、属人化が心配な方
- 毎月の締め作業に追われ、経営判断のためのデータがタイムリーに出てこない方
- 顧問税理士から業務改善を指摘されている方
- 紙の書類が増え続け、保管場所に困っている方
- 従業員の残業を減らし、働き方改革を進めたい方
「でも、うちにはITに詳しい人材がいない」「システム導入の予算が確保できるか不安」という声もよく聞きます。
しかし、現在のクラウドサービスは、ITの専門知識がなくても使いやすく設計されています。また、初期費用を抑えた月額制のサービスも充実しており、導入のハードルは年々下がっています。
大切なのは、「いつかやろう」を「今やる」に変えることです。競合他社がIT化を進める中、後手に回ることこそが最大のリスクと言えるでしょう。
まとめ:経営者として今すべき決断
バックオフィスIT化のメリットまとめ
バックオフィスのIT化は、もはや「あれば便利」なものではなく、経営の根幹に関わる重要な施策です。
本記事のポイント
- 人件費の最適化で年間200〜500万円の削減が可能
- 紙・印刷コスト、ミス・手戻りコストも大幅削減
- 顧問税理士への依頼費用も最適化できる
- 税務調査対策・BCP・内部統制強化というリスクヘッジ効果
- 属人化の解消で経営の安定性が向上
顧問税理士が推奨するのは、これらの効果が経営の健全性に直結するからです。
「何から始めればいいか分からない」という方は、まず現状の業務フローを棚卸しし、どこにボトルネックがあるかを把握することから始めてみてください。
社内にDX推進のリソースがない場合は、外部の専門家を活用するのも有効な選択肢です。月額制で自社専属のDX推進チームを持てるサービスなども登場しており、初期投資を抑えながら着実にIT化を進められる環境が整っています。
バックオフィスのIT化は、やるかやらないかではなく、いつやるかの問題です。競合に先んじてデジタル化を進め、コスト競争力と経営の安定性を手に入れてください。