インボイス制度対応で経理がパンク寸前!システムで解決する具体策

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インボイス制度対応で経理がパンク寸前インボイス制度対応で経理がパンク寸前

インボイス制度の義務化で、経理の現場が悲鳴を上げている

2023年10月にスタートしたインボイス制度(適格請求書等保存方式)。導入から2年以上が経過した今、経理担当者の負担は増える一方です。

「取引先から届く請求書、一枚一枚に登録番号があるか確認しないといけない」

「免税事業者との取引、経過措置の計算が複雑すぎる」

「紙の請求書とデータの請求書が混在して、管理がカオス状態」

こうした声が、全国の中小企業の経理現場から聞こえてきます。

特に深刻なのは、インボイス制度への対応を怠った場合のリスクです。適格請求書の要件を満たさない請求書では仕入税額控除が認められず、消費税の納税額が増加します。さらに、2026年10月には経過措置の控除割合が50%に引き下げられ、対応の遅れは直接的な損失に繋がります。

「なんとかしなきゃ」と思いながらも、日々の業務に追われて対策が後回しになっていませんか?

「経理が1人で全部やっている」——それ、あなたの会社だけではありません

実は、インボイス制度対応に苦しんでいるのは、あなたの会社だけではありません。

中小企業庁の調査によると、従業員50人以下の企業では**約7割が「経理担当者1〜2名」**で全ての請求書処理を行っています。そこにインボイス制度の対応が加わったのです。

具体的にどんな業務が増えたのか、整理してみましょう。

インボイス制度で増えた経理業務

  • 登録番号の確認作業 — 受け取った請求書に適格請求書発行事業者の登録番号(T+13桁)が記載されているか、国税庁の公表サイトで照合
  • 請求書の要件チェック — 税率ごとの区分、消費税額の端数処理、記載事項の漏れがないか確認
  • 経過措置の計算 — 免税事業者からの仕入れについて、経過措置に基づく控除割合を正確に適用
  • 保存方法の管理 — 電子帳簿保存法との兼ね合いで、紙・電子の保存要件を遵守
  • 取引先への対応 — 登録番号の確認依頼、記載不備の修正依頼

これだけの業務が追加されて、月末・決算期はまさに「パンク寸前」。残業が常態化し、ミスも増え、最悪の場合は税務調査で仕入税額控除が否認されるリスクすらあります。

「うちもまさにこの状態だ……」と感じた方、安心してください。この問題には明確な解決策があります。

システム導入で、インボイス制度対応を「仕組み化」する

システムによる解決システムによる解決

結論から言います。インボイス制度対応の負担を根本的に解消するには、システムによる自動化・仕組み化が不可欠です。

「でも、うちみたいな小さい会社にシステムなんて大げさでは?」

そう思われるかもしれません。しかし、考えてみてください。

経理担当者が登録番号の照合に月10時間請求書の要件チェックに月8時間経過措置の計算に月5時間——合計で月23時間以上をインボイス対応だけに費やしているとしたら、それは年間276時間。時給2,000円で換算しても年間55万円以上のコストです。

しかも、手作業にはミスがつきものです。1件の登録番号の確認漏れが、税務調査で数十万円〜数百万円の仕入税額控除の否認に繋がる可能性があります。

システム導入は「大げさ」ではなく、経理を守るための最低限の投資なのです。

では、具体的にどのようなシステム・ツールを導入すべきか、3つの観点から解説します。

インボイス制度対応を効率化する3つの具体策

具体策1:請求書受領・管理システムの導入

まず最優先で検討すべきは、請求書の受領から保存までを一元管理できるシステムです。

代表的なサービスとしては、以下のようなものがあります。

  • Bill One(Sansan) — 請求書をオンラインで受領し、自動でデータ化。登録番号の自動照合機能あり
  • バクラク請求書(LayerX) — AI-OCRで請求書を読み取り、仕訳まで自動化。インボイス制度の要件チェック機能搭載
  • マネーフォワード クラウド請求書Plus — 受領した請求書の登録番号を自動で国税庁データベースと照合

これらのシステムに共通するメリットは以下の通りです。

手作業システム導入後
登録番号を1件ずつ国税庁サイトで確認自動照合(数秒で完了)
請求書の記載要件を目視チェックAIが自動で要件チェック(不備があればアラート)
紙の請求書をファイリングして保管電子保存で検索・管理が容易
経過措置の対象か手動で判定取引先マスタと連動して自動判定

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導入コストは月額数千円〜数万円程度。先ほど試算した年間55万円以上の人件費コストと比較すれば、投資対効果は明らかです。

具体策2:会計ソフトのインボイス制度対応を最大限活用する

すでに会計ソフトを使っている企業は多いと思いますが、インボイス制度対応の機能を使いこなせていないケースが非常に多いです。

主要な会計ソフトのインボイス対応機能を確認しましょう。

freee会計

  • 適格請求書の自動判定
  • 登録番号の一括確認
  • 経過措置の自動計算
  • 消費税申告書の自動作成

マネーフォワード クラウド会計

  • インボイス対応の仕訳テンプレート
  • 取引先の登録番号管理
  • 区分記載請求書との自動判別
  • 税率別の集計レポート

弥生会計

  • 適格請求書の要件チェック
  • 仕入税額控除の自動計算
  • 経過措置の段階的適用

ポイントは、会計ソフトの設定を正しく行うことです。多くの企業で「ソフトは導入済みだが、インボイス関連の設定がデフォルトのまま」という状態が見られます。

具体的には以下の設定を見直してください。

  1. 取引先マスタに登録番号を登録 — 全ての課税仕入先の登録番号を入力
  2. 免税事業者の取引先にフラグを設定 — 経過措置の自動計算に必要
  3. 消費税の端数処理ルールを確認 — 1インボイスにつき税率ごとに1回の端数処理
  4. 仕訳テンプレートの更新 — インボイス対応の勘定科目・税区分を設定

これだけで、日々の仕訳入力時にシステムが自動で適格・非適格を判定してくれるようになります。

具体策3:業務フロー全体をデジタル化する

請求書処理だけをシステム化しても、前後の業務フローがアナログなままでは効果は限定的です。

たとえば、こんな状況に心当たりはありませんか?

  • 発注はメールやFAX → 請求書はシステム → 支払い承認は紙の回覧
  • 経費精算は紙の申請書 → 領収書は封筒に入れて提出
  • 取引先への支払い通知は手作業でExcel作成

業務フロー全体をデジタルで繋げることで、はじめてインボイス対応の負荷は劇的に下がります。

具体的には以下のような流れを目指しましょう。

発注(システム)→ 納品確認(システム)→ 請求書受領(自動取込)
→ 要件チェック(AI自動)→ 仕訳(自動起票)→ 承認(ワークフロー)
→ 支払い(振込データ自動作成)→ 保存(電子帳簿保存法対応)

「そこまでやるのは大変そう……」と思われるかもしれません。確かに、自社だけで業務フロー全体のデジタル化を進めるのは容易ではありません。

こうしたバックオフィス全体のDX推進については、外部の専門家の力を借りるのも一つの手です。たとえば当社の月額制の自社DX推進部のように、月額制で継続的にDX支援を受けられるサービスを活用すれば、システム選定から業務フロー設計、運用定着まで一貫してサポートを受けることができます。

業務フロー全体のデジタル化業務フロー全体のデジタル化

こんな企業は今すぐ対策が必要です

以下に当てはまる企業は、インボイス制度対応の見直しが急務です。

  • 経理担当者が1〜2名で、請求書処理をほぼ手作業で行っている
  • 登録番号の確認を毎月手動で行っている(または確認していない)
  • 免税事業者との取引があり、経過措置の計算に不安がある
  • 紙の請求書がまだ多く、保存・検索に時間がかかっている
  • 会計ソフトのインボイス対応機能を設定・活用できていない
  • 2026年10月の経過措置引き下げに向けた準備ができていない

特に注意すべきは、2026年10月の経過措置変更です。現在は免税事業者からの仕入れについて80%の控除が認められていますが、2026年10月以降は50%に引き下げられます。さらに2029年10月には経過措置が完全に終了し、控除は**0%**になります。

つまり、対応が遅れるほど、消費税の負担は確実に増加していくのです。

「まだ大丈夫」と先延ばしにしていると、気づいたときには年間数十万円〜数百万円の追加コストが発生していた——そんな事態になりかねません。

罰則という観点でも、適格請求書の保存要件を満たしていない場合、税務調査で仕入税額控除が否認されるリスクがあります。これは実質的な罰則と同じです。過去に遡って否認された場合、延滞税・加算税まで課される可能性もあります。

今すぐ動くことが、最大のリスク回避策です。

まとめ

まとめまとめ

インボイス制度対応で経理がパンクする原因と、システムによる解決策をまとめます。

経理がパンクする3大原因

  1. 登録番号の確認作業が膨大
  2. 経過措置の計算が複雑
  3. 紙とデータの混在で管理が煩雑

システムで解決する3つの具体策

  1. 請求書受領・管理システムの導入 — 登録番号の自動照合、要件の自動チェック
  2. 会計ソフトのインボイス機能を最大活用 — 設定の見直しで自動判定を実現
  3. 業務フロー全体のデジタル化 — 発注から支払いまで一気通貫のシステム化

2026年10月の経過措置引き下げまで、残された時間は多くありません。**「いつかやろう」ではなく、「今日から始める」**ことが、経理担当者を守り、会社の利益を守る最善の一手です。

まずは自社の経理業務がどれだけ効率化できるか、無料の業務診断から始めてみませんか?現状の業務フローを可視化するだけでも、改善のヒントが見えてきます。お気軽にご相談ください

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