求人掲載期間が60日を超えたら読むブログ
60日経っても応募が来ない——その求人、見直す時期です
「とりあえず求人を出しておけば、そのうち応募が来るだろう」
そう考えて求人媒体に掲載してから、気づけば60日以上が経過。応募はゼロか、あっても書類選考で見送りになるような人材ばかり。
これは決して珍しいケースではありません。
厚生労働省の調査によると、中小企業の求人充足率は約35%。つまり、出した求人の約3分の2は、希望する人材を採用できないまま終わっているのが現実です。
しかも、求人を長期間掲載し続けることで発生するのは、掲載費用だけではありません。採用担当者の工数、既存社員への業務負荷、そして「いつまで経っても人が来ない会社」というブランドイメージの毀損——。
見えないコストは、日に日に膨らんでいきます。
その焦り、痛いほどわかります
「人手が足りないから求人を出しているのに、応募が来ない」 「かといって、条件を緩和したら現場が回らなくなる」 「採用エージェントに頼めば費用がかさむし、自社で何とかしたい」
経営者として、このジレンマに悩まれている気持ちは十分に理解できます。
特に中小企業の場合、採用にかけられるリソースは限られています。専任の採用担当者がいない会社も多く、総務や経理の担当者が「ついでに」求人対応をしているケースも珍しくありません。
その結果、求人票は何ヶ月も前の内容のまま放置され、競合他社に優秀な人材を奪われていく——。
この悪循環から抜け出すには、「なぜ応募が来ないのか」という根本原因を正確に把握し、的確な対策を打つ必要があります。
この記事で解決できること
この記事では、60日以上求人を掲載しても応募が来ない原因を徹底解説し、採用コストを最小限に抑えながら、確実に人材を獲得するための具体的な方法をお伝えします。
求人が埋まらない5つの原因と解決策
読み終えた後には、以下のことが明確になります。
- 長期掲載の本当のコストとリスク
- 応募が来ない求人の5つの共通パターン
- 今日から実践できる改善ポイント
- 採用活動を効率化するデジタル活用法
経営者・人事責任者の方が、自信を持って次のアクションを取れるようになることを目指しています。
長期掲載が招く「見えないコスト」を把握する
まず、求人を長期間掲載し続けることで発生するコストを正確に把握しましょう。
直接コスト:掲載費用の累積
求人媒体によって料金体系は異なりますが、一般的な相場は以下の通りです。
| 媒体タイプ | 月額費用 | 60日掲載時の累積 |
|---|---|---|
| 大手求人サイト | 20〜50万円 | 40〜100万円 |
| 業界特化型サイト | 10〜30万円 | 20〜60万円 |
| 無料媒体(有料オプション) | 3〜10万円 | 6〜20万円 |
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60日で応募がゼロなら、この費用はすべて「埋没コスト」になります。
間接コスト:人件費と機会損失
掲載費用よりも深刻なのが、間接コストです。
採用担当者の工数
- 応募者対応(問い合わせ、書類確認):週2〜3時間
- 求人内容の更新・管理:月2〜4時間
- 面接調整・実施:1件あたり2〜3時間
これらの工数を時給換算すると、月に3〜5万円相当の人件費が採用活動に消えていることになります。
欠員による機会損失 採用できない期間中、その分の業務は既存社員がカバーするか、売上機会を逃すことになります。
例えば、営業職1名の欠員が3ヶ月続いた場合、その営業が獲得できたはずの売上を月100万円と仮定すると、300万円の機会損失が発生している計算です。
ブランドコスト:企業イメージの毀損
長期間同じ求人が掲載され続けている企業を見て、求職者はどう思うでしょうか。
「ずっと募集しているということは、何か問題があるのでは?」 「人が定着しない会社なのかもしれない」 「条件が悪いから応募が来ないのでは?」
こうしたネガティブな印象は、優秀な人材ほど敏感に察知します。その結果、応募を避けられるという悪循環に陥ります。
応募が来ない求人の5つの共通パターン
では、なぜ60日以上経っても応募が来ないのか。その原因は大きく5つのパターンに分類できます。
求人改善の5つのステップ
パターン1:給与・条件が市場相場と乖離している
最も多いパターンです。
「うちの業界ではこれが相場だ」という認識が、実際の市場相場と5年以上ズレているケースは珍しくありません。
特に2020年以降、IT・デジタル人材の市場価値は急上昇しています。同じ「事務職」でも、Excelマクロが組める人材と、基本操作しかできない人材では、市場価値が2倍以上異なることもあります。
チェックポイント
- 同業他社の求人と給与水準を比較したか
- 求人媒体が提供する市場データを確認したか
- 直近1年以内の相場を調べているか
パターン2:仕事内容が抽象的すぎる
「営業全般をお任せします」 「事務作業全般」 「その他付随する業務」
こうした曖昧な表現は、求職者に「何をやらされるかわからない」という不安を与えます。
優秀な人材ほど、自分のスキルや経験が活かせる環境を求めています。仕事内容が具体的に書かれていなければ、そもそも検討対象に入りません。
チェックポイント
- 1日の業務の流れが想像できる記載になっているか
- 使用するツール・システムを明記しているか
- 入社後3ヶ月・6ヶ月・1年後の姿を示しているか
パターン3:自社の魅力が伝わっていない
求人票に書かれているのは、業務内容と条件だけ——。
これでは、求職者が「この会社で働きたい」と思う理由がありません。
中小企業には、大手にはない魅力があるはずです。意思決定の速さ、経営者との距離の近さ、幅広い業務経験が積めること、地域への貢献など。
それらを言語化して伝えなければ、条件面で大手企業に勝つことはできません。
チェックポイント
- 社員インタビューや声を掲載しているか
- 会社のビジョン・ミッションを伝えているか
- 職場の雰囲気がわかる写真を載せているか
パターン4:掲載媒体と求める人材がミスマッチ
「とりあえず大手の求人サイトに出しておけば大丈夫」
この考えが、採用失敗の原因になっていることが少なくありません。
求める人材によって、効果的な採用チャネルは異なります。
| 求める人材 | 効果的なチャネル |
|---|---|
| 20代若手 | SNS採用、ダイレクトリクルーティング |
| 即戦力の経験者 | 業界特化型エージェント |
| 地域密着型 | ハローワーク、地域情報誌 |
| 専門スキル保有者 | 専門職向けプラットフォーム |
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チェックポイント
- 求める人材が利用する媒体を調査したか
- 複数チャネルを併用しているか
- 各媒体の効果を測定・比較しているか
パターン5:応募のハードルが高すぎる
「履歴書・職務経歴書を郵送してください」 「一次面接は平日10時〜17時のみ対応」 「まずはお電話でお問い合わせください」
令和の時代に、このような応募プロセスでは優秀な人材は集まりません。
在職中の転職希望者は、平日昼間の対応が難しいケースがほとんどです。また、「まずは気軽に話を聞いてみたい」という段階の人材に、いきなり書類提出を求めれば、応募のハードルが上がります。
チェックポイント
- Web上で完結する応募フォームがあるか
- オンライン面接に対応しているか
- カジュアル面談の選択肢を用意しているか
今日から実践できる5つの改善アクション
原因がわかったところで、具体的な改善アクションに移りましょう。
アクション1:競合他社の求人を徹底調査する
まずは、同業他社・同地域・同職種の求人を10件以上チェックしてください。
確認すべきポイントは以下の通りです。
- 給与水準(月給・年収・賞与)
- 福利厚生の内容
- 仕事内容の書き方
- 写真や動画の使い方
- 応募条件の設定
自社の求人と比較して、「この会社の方が魅力的だ」と感じたら、求職者も同じように感じているはずです。
アクション2:求人票を「求職者目線」で書き直す
求人票は、企業が伝えたいことを書く場所ではありません。求職者が知りたいことを書く場所です。
以下の質問に答える形で、求人票を再構成してみてください。
- この仕事で何が身につくのか?
- 1日・1週間・1ヶ月の流れは?
- どんな人と一緒に働くのか?
- 3年後のキャリアパスは?
- この会社で働く意味は何か?
抽象的な表現を排し、数字と具体例で語ることを意識してください。
アクション3:応募プロセスを簡素化する
応募から面接までのステップを見直し、不要な工程を削除しましょう。
理想的な応募フロー
- Web応募フォーム(3分で完了)
- カジュアル面談(オンライン30分)
- 本面接(対面 or オンライン)
- 内定
「まずは話を聞いてみたい」という人材を逃さないために、カジュアル面談のハードルは極力下げることが重要です。
アクション4:採用活動をデータで管理する
「なんとなく」の採用活動から脱却するために、以下のデータを必ず記録・分析してください。
- 媒体別の応募数
- 応募から面接への移行率
- 面接から内定への移行率
- 内定承諾率
- 採用単価(総コスト÷採用人数)
これらのデータがあれば、どこにボトルネックがあるのかが一目瞭然になります。
採用管理ツール(ATS)を導入すれば、これらのデータを自動で収集・可視化できます。無料〜月額数千円で利用できるツールも多いので、まだ導入していない企業は検討をおすすめします。
社内にITに詳しい人材がいない場合は、月額制のDX推進サービスを活用して、採用業務のデジタル化を進めるのも一つの選択肢です。ツールの選定から運用まで、専門家のサポートを受けながら進められます。
アクション5:掲載媒体を再検討する
60日以上掲載して成果が出ていない媒体は、思い切って見直しましょう。
見直しの判断基準
- 応募数が月10件未満 → 媒体変更を検討
- 応募者の質が低い → ターゲティング精度の高い媒体へ
- 費用対効果が悪い → 成功報酬型の媒体を検討
一つの媒体に固執せず、複数のチャネルを試しながら、自社に合った採用手法を見つけることが重要です。
こんな経営者・人事担当者の方へ
この記事の内容は、以下のような状況の方に特に役立ちます。
- 求人を60日以上掲載しているが、まともな応募が来ない
- 採用コストが年間100万円を超えているのに、成果が出ていない
- 人手不足で既存社員の負担が限界に近づいている
- 採用活動を効率化したいが、何から手をつけていいかわからない
- 競合他社に人材を奪われ続けている
今すぐ行動すべき理由
人材採用市場は、待っていても好転しません。少子高齢化により、労働人口は毎年減少しています。2030年には約640万人の労働力が不足するという試算もあります。
つまり、採用は「今やらなければ、もっと難しくなる」課題なのです。
60日という数字は、一つの目安に過ぎません。しかし、2ヶ月以上成果が出ていない求人を放置することは、経営資源を無駄にし続けることと同義です。
この記事を読んだ今日が、採用戦略を見直す最適なタイミングです。
まとめ:採用は「攻め」の経営判断
採用戦略見直しで人材獲得に成功
この記事のポイントを整理します。
長期掲載の隠れたコスト
- 直接費用(掲載料)だけでなく、人件費・機会損失・ブランド毀損も発生
- 60日の放置で、数十万〜数百万円のコストが発生している可能性
応募が来ない5つの原因
- 給与・条件が市場相場と乖離
- 仕事内容が抽象的
- 自社の魅力が伝わっていない
- 掲載媒体のミスマッチ
- 応募ハードルが高い
今日からできる改善アクション
- 競合他社の求人を10件調査
- 求人票を求職者目線で書き直す
- 応募プロセスを簡素化
- 採用活動をデータ管理
- 掲載媒体を見直す
採用活動は、コストではなく投資です。適切な人材を採用できれば、その人材が生み出す価値は採用コストの何倍にもなります。
逆に、採用を後回しにし続ければ、事業成長の機会を逃し、既存社員の離職リスクも高まります。
60日以上成果の出ていない求人があるなら、今日この瞬間から見直しを始めてください。
まずは、この記事で紹介した5つのチェックポイントを、自社の求人に当てはめてみることから始めましょう。
採用活動のデジタル化や業務効率化について相談したい方は、お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。貴社の状況に合わせた具体的なアドバイスをさせていただきます。