Windowsアップデートを放置するとどうなる?
「あとでやろう」が命取り——Windows更新を放置するリスクとは
パソコンの右下に表示される**「更新してシャットダウン」**の通知。
「今は忙しいから後で…」 「再起動すると作業が止まるから…」 「どうせ大した更新じゃないでしょ」
そう思って、Windows Updateを何週間も、何ヶ月も放置していませんか?
実はこの「あとでやろう」が、会社を倒産に追い込むレベルの被害を招くことがあります。
2024年、ある国内中小企業がランサムウェアに感染し、全社のデータが暗号化されました。原因は、半年以上放置されていたWindowsの脆弱性。身代金として要求された金額は数百万円、業務停止による損失はさらにその数倍に上りました。
「うちは小さい会社だから狙われないでしょ」——この考えが最も危険です。むしろセキュリティ対策が甘い中小企業こそ、攻撃者にとって格好のターゲットなのです。
あなたの会社も「無防備」かもしれません
「うちのIT担当、他の業務と兼任だから手が回らない」
「パソコンは買ったときの設定のまま使っている」
「セキュリティ?ウイルス対策ソフトが入っているから大丈夫でしょ」
こうした状況は、日本の中小企業ではごく一般的です。IPA(情報処理推進機構)の調査によると、**中小企業の約4割がセキュリティ対策を「十分に実施できていない」**と回答しています。
特にWindowsアップデートについては、「再起動が面倒」「業務が止まる」という理由で後回しにされがちです。しかし、ウイルス対策ソフトだけでは防げない攻撃が年々増加しています。OS自体の脆弱性を突く攻撃は、どんなに優秀なウイルス対策ソフトでも防ぎきれません。
あなたの会社のパソコン、最後にWindowsアップデートをしたのはいつですか?
この記事を読めば、5分で「やるべきこと」がわかります
本記事では、Windowsアップデートを放置した場合に起こりうる具体的なリスクと、今日から実践できる対策をわかりやすく解説します。
セキュリティ対策の全体像
技術的な知識がなくても大丈夫。5分で読めるセキュリティ講座として、経営者やIT担当者でなくても理解できる内容にまとめました。
読み終わる頃には、「なぜ今すぐ更新すべきなのか」が腹落ちし、具体的なアクションに移せるはずです。
放置が招く3つの重大リスクと、今すぐできる対策
リスク①:ランサムウェア感染で業務が完全停止する
Windowsアップデートには、発見された脆弱性(セキュリティの穴)を塞ぐパッチが含まれています。このパッチを適用しないということは、鍵のかかっていないドアを放置しているのと同じです。
2017年に世界中で猛威を振るった「WannaCry」というランサムウェアは、Windowsの脆弱性を利用して感染を広げました。Microsoftは攻撃の2ヶ月前に修正パッチを配布していたにもかかわらず、更新を怠った企業が次々と被害に遭いました。
被害の実態は深刻です。
- 全社のファイルが暗号化され、業務が完全にストップ
- バックアップも感染していた場合、データの復旧は不可能
- 取引先にも感染が拡大し、損害賠償を請求されるケースも
- 復旧までに平均23日間の業務停止(IBM調査)
今すぐできる対策: Windows Updateの設定を確認し、「自動更新」がオンになっているか確かめましょう。「設定」→「Windows Update」から確認できます。
リスク②:個人情報漏洩で法的責任を問われる
2022年4月に施行された改正個人情報保護法では、個人データの漏洩が発生した場合、個人情報保護委員会への報告と本人への通知が義務化されました。
さらに、安全管理措置(セキュリティ対策)が不十分だった場合には、是正命令が出され、これに従わなかった場合は1億円以下の罰金が科される可能性があります。
Windowsアップデートを放置して脆弱性を突かれた場合、「適切なセキュリティ対策を怠った」と判断される可能性が高く、企業としての法的責任を問われるリスクがあります。
具体的には以下のような事態が想定されます。
- 顧客の個人情報が流出し、信用を完全に失う
- 取引先からの契約解除や取引停止
- 損害賠償請求(1件あたり数千円〜数万円 × 漏洩件数)
- 行政処分による社名公表
今すぐできる対策: 自社で管理しているパソコンの一覧を作成し、それぞれのWindowsバージョンと最終更新日を把握しましょう。サポートが終了したWindows 10(2025年10月サポート終了予定)を使い続けていないかの確認も重要です。
リスク③:取引先のサプライチェーン攻撃の踏み台にされる
最近増加しているのが、サプライチェーン攻撃です。これは、セキュリティが手薄な中小企業を踏み台にして、その取引先の大企業を攻撃する手法です。
2022年には、大手自動車メーカーの取引先が攻撃を受け、国内全工場が一時停止する事態に発展しました。
つまり、あなたの会社のセキュリティの甘さが、取引先全体に被害を及ぼす可能性があるのです。
大企業側も、取引先のセキュリティ対策を厳しくチェックするようになっています。**「セキュリティ対策が不十分な企業とは取引しない」**という方針を打ち出す企業も増えています。
Windows Updateを放置しているだけで、大切な取引先を失うリスクがあるのです。
今すぐできる対策: 取引先から求められるセキュリティ基準を確認しましょう。最低限、OS・ソフトウェアの最新化、ウイルス対策ソフトの導入、定期的なバックアップの3点は必須です。
5分でできるセキュリティ対策ステップ
補足:Windows Updateを安全に運用する3つのコツ
「自動更新にしたら、突然再起動して作業中のデータが消えた」——こんな経験がある方もいるでしょう。安全にアップデートを運用するコツをお伝えします。
① アクティブ時間を設定する 「設定」→「Windows Update」→「アクティブ時間」で、業務中の時間帯を指定すれば、その時間帯には自動再起動が行われません。
② 週に1回、終業時に「更新してシャットダウン」を習慣化する 毎週金曜日の終業時にWindowsアップデートを実行するルールを設けると、業務への影響を最小限に抑えられます。
③ 会社全体のPC管理を仕組み化する 従業員が5人以上いる場合、個人任せのアップデート管理には限界があります。IT資産管理ツールを導入するか、社内のDX推進として仕組み化することが重要です。
「そうは言っても、ITに詳しい人がいないから仕組み化なんてできない…」という企業も多いでしょう。そんな場合は、月額制の自社DX推進部のような外部パートナーを活用し、IT管理やセキュリティ対策をまるごと任せるという選択肢もあります。専任のIT担当者を雇うよりもコストを抑えながら、継続的なセキュリティ管理体制を構築できます。
こんな状況に当てはまったら、今すぐ対策が必要です
- Windows Updateの通知を1ヶ月以上無視している
- 社内にWindows 10以前のOSを使っているパソコンがある
- IT担当者が不在、もしくは他業務と兼任している
- 取引先からセキュリティチェックシートの提出を求められている
- テレワーク用のPCのセキュリティ管理ができていない
1つでも当てはまる場合、すでにサイバー攻撃のリスクにさらされている可能性があります。
改正個人情報保護法の施行により、「知らなかった」では済まされない時代になりました。万が一インシデントが発生した場合、経営者個人の責任を問われることもあります。
セキュリティ対策は、被害が出てからでは手遅れです。ランサムウェアに感染してから復旧にかける費用は、事前対策の数十倍から数百倍になると言われています。
まとめ
Windowsアップデートとセキュリティ対策のまとめ
Windowsアップデートの放置は、単なる「面倒な作業の先送り」ではありません。企業の存続を脅かす重大なセキュリティリスクです。
本記事のポイントをまとめます。
- ランサムウェア感染:業務停止・データ消失・取引先への被害拡大
- 法的責任:改正個人情報保護法により、報告義務化・最大1億円の罰金
- サプライチェーンリスク:取引先への攻撃の踏み台となり、契約解除の恐れ
- 対策は簡単:自動更新の有効化、週1回の更新習慣、PC管理の仕組み化
「たかがアップデート」と侮らず、今日から対策を始めましょう。
まずは自社のパソコンが最新の状態になっているか、5分で確認してみてください。もし自社だけでは管理が難しいと感じたら、専門家への相談を検討することをおすすめします。セキュリティ対策は、早く始めるほどコストを抑えられます。
「自社のセキュリティ対策が十分かどうかわからない」という方は、まずは無料のIT環境診断で現状を把握するところから始めてみませんか? 脆弱性の有無やアップデートの適用状況を専門家がチェックし、優先的に対応すべきポイントを明確にします。